「日本には縄文時代より前の人々はいなかった」
かつて、そんな考えが一般的だった日本の考古学。
その常識を大きく変えるきっかけとなった場所が、群馬県にあります。
みどり市の「岩宿遺跡」です。
2026年は岩宿遺跡発見から80周年。
さらに発見者・相澤忠洋の生誕100周年という大きな節目を迎え、岩宿博物館がリニューアルします。
【一人の青年が見つけた石器】
物語が始まったのは1946年。
群馬県桐生市に住んでいた相澤忠洋が、現在のみどり市笠懸町にある岩宿で石器を発見しました。
当時、日本列島では縄文時代より前に人間が暮らしていたことは広く認められていませんでした。
しかし、その後行われた明治大学による発掘調査で、縄文土器が登場するよりも前の地層から石器が発見されます。
これによって、日本にも「旧石器時代」が存在したことが学術的に明らかになっていきました。
まさに、日本の歴史を書き換えるきっかけとなった発見でした。
【2026年は特別な年】
2026年は、
・みどり市市制施行20周年
・岩宿遺跡発見80周年
・相澤忠洋生誕100周年
という3つの節目が重なります。
みどり市はこれに合わせ、2025年12月から改修工事を行っていた岩宿博物館をリニューアルします。
【貴重な相澤忠洋資料を常設展示】
新しい博物館では、国や県の登録有形文化財となっている「相澤忠洋蒐集考古資料」などを新たに常設展示へ組み込みます。
さらに、見るだけではありません。
実際に見て、触れて、体験しながら旧石器時代について学べる「ラボ展示」も新設されます。
小学館の『コロコロコミック』とも連携し、子ども世代にも旧石器時代の面白さを伝えていく計画です。
【群馬を「旧石器観光の聖地」に】
みどり市が掲げているのが、
「旧石器観光の聖地」
として全国へ発信すること。
今から80年前、一人の青年が群馬の地面から拾い上げた一つの石器。
その発見は、日本人がいつからこの列島で暮らしていたのかという歴史そのものを変えるきっかけになりました。
世界的な観光地ではないかもしれません。
しかし群馬には、「日本史の教科書を書き換えた場所」が存在しています。

