数学者を驚かせた「不思議な図形」、今度は光まで操ることが判明 東大が実験

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数学界で大きな話題になった「不思議なタイル」が、今度は物理学の世界でも注目されています。

東京大学生産技術研究所などの研究チームが、「Smith hat」と呼ばれる特殊な形を利用したナノ構造を作り、光を当てる実験を行いました。

すると、従来の準結晶では見られなかった特徴的な光のパターンが現れたのです。

【1種類だけで“不規則”に埋め尽くす】

この図形が注目された背景にあるのが、数学の「Einstein problem」です。

ここでいうEinsteinは物理学者アルベルト・アインシュタインのことではなく、ドイツ語で「1つの石」という意味に由来します。

問題は、「たった1種類のタイルだけを使い、周期的に同じ模様を繰り返すことなく平面を埋め尽くせるか」というもの。

2023年、その条件を満たす図形として「hat」と呼ばれる形が発見され、大きな話題になりました。

【ナノサイズにして光を当てた】

東京大学などの研究チームは、このSmith hatをもとにした微細な構造をシリコンナイトライド膜上に作製。

そこへレーザー光を当てました。

すると、風車のような特徴的な回折パターンが観察されました。

これは構造に鏡映対称性がないことに由来する「カイラル」な性質を反映したものだとされています。

さらに、入射する光の方向や偏光を変えることで、現れる回折パターンも変化しました。

【数学のパズルが新技術につながる?】

もともとは純粋な数学の難問として研究されていた図形。

しかし、その特殊な構造を実際の物質に作り込むことで、これまでとは違った光学現象が現れることが分かってきました。

研究チームは今後、光の操作や偏光制御、高度な光学デバイスなどにつながる可能性があるとしています。

「1種類のタイルだけで不規則に平面を埋められるのか?」

そんな数学のパズルから生まれた図形が、今度は現実世界の光を操る技術へ。

数学と物理が思わぬ場所でつながった興味深い研究です。

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