アルゼンチンで、閉鎖された動物園に残されていたライオンとトラ計30頭を救出し、海外の保護施設へ移送する大規模な作戦が始まりました。
救出の対象となっているのは、首都ブエノスアイレスから約70km離れた場所にある旧ルハン動物園で暮らしていた大型ネコ科の動物たちです。
閉鎖された動物園から30頭を救出
旧ルハン動物園は、来園者がライオンやトラに触れたり、一緒に写真を撮ったりできることで知られていました。
しかし、安全性や動物福祉上の問題などから2020年に閉鎖。
閉鎖当時には約200頭の大型ネコ科動物がいたとされ、その後も多くの動物が施設に残されていました。
国際的な動物福祉団体「FOUR PAWS」が現地で動物たちのケアを進め、今回、そのうち30頭を海外の保護施設へ移すことになりました。
15頭は南アフリカ、15頭はアメリカへ
30頭は2つのグループに分かれます。
トラ9頭とライオン6頭の計15頭は、南アフリカにある大型ネコ科動物の保護施設「LIONSROCK」へ。
そしてトラ8頭とライオン7頭の計15頭は、アメリカ・コロラド州にある「The Wild Animal Sanctuary」へ移送されます。
長距離の移動になるため、輸送は飛行機や陸路を組み合わせた大掛かりなものとなっています。
健康状態に問題を抱える動物も
長期間にわたる飼育環境の影響から、動物たちの中には健康上の問題を抱えている個体も確認されています。
肥満や筋力低下、歯や腎臓の疾患、過去のけがなど、さまざまな問題が見つかっているといいます。FOUR PAWSが2025年に実施した62頭の大型ネコ科動物の検査でも、多くの個体に健康上の問題が確認されていました。
輸送用のケージに自ら入れるよう事前にトレーニングを行った動物もいる一方、一部については安全に移動させるため鎮静処置も行われました。
新しい環境での生活へ
今回の移送先は一般的な動物園ではなく、救出された動物たちがより適した環境で暮らすための保護施設です。
南アフリカのLIONSROCKでは広い自然環境を利用した飼育が行われており、すでに多数の大型ネコ科動物が保護されています。
30頭の移送が完了した後も、旧ルハン動物園には20頭以上のライオンやトラが残る見込みで、FOUR PAWSは引き続き新たな受け入れ先を探すとしています。
長年施設で暮らしてきたライオンやトラたち。
今回の大規模な移送によって、新しい環境での生活が始まろうとしています。
※本記事は2026年8月16日時点で確認できる情報をもとに作成しています。


